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教員の佐々木による論文がKidney International Reports誌に受理されました。

「血液透析患者における血清P濃度異常とQT延長の関連性:全国データを用いた横断研究」 

【論文の要旨】

血液透析患者では、心血管病の予防の発展にも関わらず、未だ心血管死が多いことは広く知られている。小規模の観察研究において、血液透析患者の心電図におけるQT時間が一般人口と比べ延長していることが示されているが、その成因や臨床的意義は明らかでなかった。我々は、血液透析患者におけるQT時間の延長が心血管死に寄与しているのではないかという仮説のもと、血液透析患者特有のQT時間延長の原因を検証することを目的に研究を行った。本研究は、血液透析患者特有の問題の一病態であるCa、P代謝とQT延長の関連を、日本透析学会年次統計調査のデータ(N=204,530)を用いて横断的に検証した。この研究の結果、既知の低Ca血症に加え、新たに低・高P血症が血液透析患者のQT延長の原因となっている可能性が示唆された。