教員の山崎による研究が一流誌Cell Reports Medicineに掲載されました。
「膵脂肪と膵臓癌の因果関係に迫るエビデンス:前向きコホート研究とメンデルランダム化研究」
膵臓内に蓄積する脂肪(膵脂肪)は、炎症を惹起して膵臓癌を引き起こすと考えられているが、主に横断的な観察研究に依拠しており、膵脂肪蓄積と膵臓癌の因果関係は明らかではない。本研究では、英国のUK Biobankのデータを用いた前向きコホート研究(29,463人、観察期間4.5年)を行い、膵脂肪蓄積と膵臓癌発症の関連を示した。さらにUK Biobank (25,617人)と米国のPanScan/PanC4(膵臓癌8,275人、非膵臓癌6,723人)の遺伝データを用いたメンデルのランダム化研究を行い、膵脂肪蓄積と膵臓癌の因果的関連を示した。この研究結果は膵脂肪蓄積が膵臓癌の一因であることを示唆しており、膵脂肪の低減が膵臓癌のリスク低下に有効な可能性がある。