須賀川健康長寿事業からの研究論文第1号が国際学術誌に採択されたました
元フェローの新畑と現フェローの高橋が共同で執筆した、須賀川健康長寿事業からの研究論文第1号が国際学術誌に採択されたました。
Niihata K*, Takahashi S*, Kurita N, Yajima N, Omae K, Fukuma S, Okano T, Nomoto Y, Omori K, Fukuhara S. (*Equally contributed)
Association between accumulation of advanced glycation end-products and hearing impairment in community-dwelling older people: a cross-sectional Sukagawa study.
Journal of the American Medical Directors Association. 2017 (in press).
地域高齢住民における最終糖化産物の蓄積と聴力障害との関連:須賀川研究
【要旨】
最終糖化産物(AGEs)の蓄積は、糖尿病・心血管病などさまざまな疾患と関連していることが報告されている。分子生物学的研究でAGEsと聴力障害の関連は示唆されていたものの、疫学的な手法を用いた検討は行われていなかった。本研究ではAGEsの蓄積と聴力障害との関連を明らかにするために、75歳以上の須賀川市住民を対象に行われた2015年度健康長寿健診のデータを用いて横断的解析を行った。認知症のない参加者270人を解析対象とし、蛍光分光方式で測定した皮膚AGEs蓄積量(AF値:任意単位(AU)を単位として測定)を要因、中等度以上の聴力障害(平均聴力41dB以上)をアウトカムとした解析を行った。年齢、性別、喫煙、糖尿病、高血圧、脳血管疾患で調整したロジスティック回帰モデルでAF値は中等度以上の聴力障害と有意な関連(調整オッズ比/AU:2.60、95%信頼区間:1.26-5.35)を認めた。AGEsの蓄積を抑制することで聴力障害が予防できる可能性が示唆された。